シクロクロスをする上で一般人でも対象になってしまうドーピング検査。ロードレースでも検査は行われていますが、それ以上にシクロクロスはしっかりと考えなければいけません。

それはプロではない一般人が走るカテゴリーでも、ドーピング検査が行われているからです。

プロにはチームドクターなどがいて、うっかりドーピングにならないように誰かがやってくれますが、私たち一般CXerは自分で把握しておかないといけません。

だから一般CXerがどうドーピングと向き合ったらいいかについて書いてみました。

特にUCIレースを走る「C1・CL1・CM1」に属するライダーは、レース活動を続けるためにも必ず対策しておくべきです。(アンチドーピングは競技者全員が考えるべき事象ではありますけど)

でもアンチドーピングというと風邪をひいても薬すら飲めないというイメージがある人もいるのではないでしょうか?実際は飲めない薬は少ないし、本当に病気なのであれば申請をすれば飲める薬もあります。喘息の薬などがそうれにあたります。

ドーピング検査に引っかからないためには、どのように対策をすればいいのか。そして実際ドーピング検査の対象になったときどうすればいいのかについて書いて見たいと思います。

間違っていることを書いていましたら、コメントでお教えいただけると嬉しいです。

ドーピング検査で陽性になるとどうなるのか

プロサイクリストがドーピング検査で陽性になると、出場停止処分や過去の記録の抹消などの対象になります。ランスアームストロングが1番有名ですが、アルベルトコンタドールもその経歴がありますね。他にもたくさんのプロサイクリストがドーピングをしていました。そのことについてはwikipediaなどに詳しく載っていますのでここでは特に触れませんが。

今回はプロの目線ではなく僕たち一般のサイクリストがシクロクロスでドーピングで陽性になるとどういう結果になるかということです。結論から言えば、JCF公認レースへの出場停止もしくはライセンス剥奪と罰金の可能性があります。

実際2018年7月にあった日本国内のプロロード選手のドーピングでは

  • 競技成績の失効
  • 資格停止4年間

の制裁がされています。名前も公表されていますがわざわざここに書くことではないので、知りたい人は内容はコチラ<<

他にもシクロクロスでは2018-19にメカニカルドーピングが発覚し、プロを引退するというニュースもありました。

私たちのようなCXerがドーピング検査で陽性だったケースは見つけられませんでした。なので一般人でも資格停止になるかどうか、どういう制裁が行われるかはわかりません。でもJCFライセンスをもっていて同じカテゴリーを走っているのであれば同じレベルの制裁が行われてもなんらおかしくありません。

資格停止されてしまうとJCFライセンスが必要なレースには出ることができなくなります。言い換えれば、シクロクロスのC1,C2,CL1,CM1には出ることができません。JCXシリーズではすでに今年からJCFライセンスが必要なのでJCXについては全て出場できなくなります。

無知は罪とよくいいますが、ドーピングは「知らなかった」ではすまないんです。ドクターや薬剤師に聞いて大丈夫な薬を出してもらっていたと人に責任を押し付けることはできないんですよね。検査で薬物が出てしまったら不利益を得るのはドクターではなく自分です。

なので競技を平和に続けるためにはドーピングに引っかからないように努力する必要があります。

ドーピング検査で陽性にならないためにはどうしたらいいのか

では実際にドーピングに引っかからないために、あなたはどうしたらいいのかというと口から入るものと、血液に注射するもの徹底的に自分で調べてから摂取するというものです。気をつけるのは

  • サプリメント
  • 医薬品

の2つ。この2つは禁止物質が入っている可能性が高いです。ではどうやって調べるのか。これには明確な方法があります。

あなたの摂取しているサプリメントに禁止薬物は入っていないか

まずはいつも飲んでいるサプリメントに入っているかどうかを確認しましょう。サプリメントというと、ビタミン剤のような錠剤を思い浮かべそうですがプロテインもサプリメントです。

あとは筋肉増強剤などもありますが割と危険だったりします。

どうやって調べるかというと、公的な検査機関で禁止物質が入っているかどうかを調べて認証を受けているサプリメントを選ぶ方法です。検査機関で調べられて、禁止物質が入っていないことを証明してくれるものですが、全て信用していいわけではありません。信頼できる認証プログラムは2つあります。

  • Informed-choice
  • TSP

の2つです。それぞれマークがあり、そのマークが記されているサプリメントは現時点で禁止薬物は含まれていないというものです。

認証をうけていないサプリメントは絶対に飲まない

アンチドーピング認証を受けていないサプリメントはいくらでもあります。むしろそっちの方が多い。では認証を受けていないサプリメントはどうしたらいいかというと、「飲まない」が正解です。

なぜなら禁止薬物が入っているかを確かめる方法がないからです。確かめられないのであれば口にすべきではなりません。どんな信頼できるメーカーが出していたとしてもです。

世界中にどれだけあるかわからないサプリメントは認証マークがついているものを選びましょう

Informed choice

informed choiceは英国のアンチ・ドーピング認証機関「Laboratory of Government Chemist」のアンチ・ドーピング認証であり、世界でもっとも普及しているアンチドーピング認証です。

もっとも普及していればいいのかというとそうではありませんが、この認証を受けた商品が禁止物質を含んでいた場合はおそらくあなたより先にどこかの国のプロアスリートがドーピング検査で陽性が出てしまうので先に気がつくことができます。

世界でもっとも安心できるアンチドーピング認証だと考えていいと思います。

https://www.informed-choice.org/

BSCG

Banned Substances Control Groupの略でアメリカでもっとも賢威のあるアンチドーピング認証です。

これを信用している理由はInformed Choiceと同じ理由で、経歴があるからです。

https://www.bscg.org/

アンチドーピングの認証マークは世界中に無数にあります。全ての認証を信じてはいけないんですよね。売れるための認証マークなんかもあったりしますし、そもそも上記2つでさえも100%確実ではないと名言しています。Infomed-choiceとBSCGをなぜ信じているかというと、WADA(World Anti Doping Agency)公認の認証マークだからです。

もちろん信じていない認証プログラムもあり。日本国内でいうとJADA(Japan Anti Doping Agency)の認証です。

↓JADA認証のマーク

個人的にですが、このマークだけしかないものは信じていません。なぜかというと、この認証マークには既得権益のような噂が結構あるからです。そもそもJADAに協賛しているスポンサーの4社にしか、認証マークの付与がされていません。協賛しないと認証マークもらえないってどうなんでしょう。

そしてJADA認証マークをつけるための検査機関はWADAでは認定されていない検査機関で、しかもその検査結果は公開されていないし、一度認証を取ればそのあとはずっと認証マークをつけることができます。

それに対しinformed choiceとTSPは、WADA公認の検査機関でありしかも常に検査を続けないと認証マークをつけることができません。製造環境や材料が変わることによって禁止薬物が不意に入ってしまうことを防ぐためです。

もちろんちゃんと調べているんだろうけど、JADAの認証しかないサプリメントは少し怖いなと思って手を出していません。もちろん認証マークが2つ以上ある場合もあるので、その場合に上記2つの認証マークがあれば問題ないと思って飲んでいます。

薬に禁止薬物は入っていないか

薬はサプリメントより禁止薬物が入っているかを確認するのが楽です。

というのも医薬品というのはすべて登録されて認証をうけているからなんですね。じゃないと病院で使えないことになています。なので薬というのは全リストがあって、その中で禁止されている薬だけ飲まなければいいだけなので判断が簡単です。具体的には

  • 医師や薬剤師にドーピング検査の可能性を伝え禁止薬物は避けてもらう
  • 自分でGrobal DROで調べる

という2種類の方法があります。

まず簡単なのが、医師や薬剤師などの専門家に判断してもらうという方法です。この方法を取れば万全だと思いますよね?万全であって欲しいんですが、実は万全ではないんです。

一度病院でドーピング検査がある旨を伝えてみると、結構医師も薬剤師もあたふたします。そういうケースが少ないので、正直いってわからないのでしょう。街のドラッグストアや薬局で立っている薬剤師さんもだいたい「わからない」と答えます。登録販売員だと確実に信用できないと私は思っています。

要するに医師も薬剤師もそこまで信用しちゃダメってこと。「わからない」と答えてくれればいいんですけど、知ったかぶりをされて禁止薬物の入っている医薬品を処方されてしまうなんてことがあるかもしれません。まぁ今のところないのですが。

そこで役にたつのが Grobal dro というサイトです。

これは薬の名前を入れるとデータベースから探してくれ、それが禁止薬物かどうかを調べることができます。さらにどのような場合に禁止されているかもわかります。

私はアトピーをもっているので、ステロイドを軟膏として皮膚に塗っています。ただ少し詳しい人はわかると思うのですがステロイドはは筋肉増強の効果があるので注射は禁止されていますよね?でも塗り薬としての使用は認められているんですね。このように塗り薬なら大丈夫とか、のみ薬はいいけど、注射はダメとかそういうところまでわかるのが便利です。

なので私は、病院で処方された薬や市販されている薬の全てをこのサイトで調べてから口にしています。医師から処方してもらった薬であってもです。医師や薬剤師に責任を押し付けることはいくらでもできますが、実際に出場停止になったりするのは自分自身だから、自分の身は自分でしか守れませんからね。

TUEについて

TUE(治療使用特例)の話はしておかないといけないでしょう。

病気によってはどうしても禁止薬物を使わないと治療できないという場合は少なからずあります。その場合も競技を続けるなら、対象の薬を飲まないようにするか、競技をやめるかの選択をする必要はあります。

ただ一部の禁止物質については特例として「競技をする上で本来は禁止しているけど、持病があれば仕方ないから飲んでもいいよ。その代わり申請はしてね。」とういうのがTUEです。ただし認められる場合は少ないと聞いたことがありますので、禁止物質を摂取していても申請すれば出られる可能性はあるということは覚えておいてください。

ちなみにフルームの話はTUEと言われていますけど、実際はサルブタモールの吸引することは禁止されていません。ただ規定量以上はダメですよという量を制限されている薬なんです。フルームのドーピング問題は規定量以上のサルブタモールが検出されたことが問題であって、TUEの話ではないんです。
(偉そうに書いてましたが、ある方に指摘されて初めて知りました)

TUEについて詳しく知りたい方はこちらから

C1,CL1,CM1は高い確率でドーピング検査の対象になる

実は私はドーピング検査のシャペロンという仕事をしたことがあります。

シャペロンとは「付き添い人」という意味で、どういう仕事をするかというと、ある大会においてドーピング検査対象者を競技後すぐから付き添い、検体を取るまで見守るという役目です。

簡単に言えば監視人でもあります。

その仕事をしてわかったのは、UCIレースのC1やCL1やM1で走った場合は、誰でも検査対象になる可能性があるということです。どこまで言っていいのかわからないので詳しいことは言えませんが、結構高確率です。数年間C1にいててUCIレースも出てるけど対象者になったことないという人がいれば運がいいだけですね。

僕は近い将来対象者になる覚悟はしています。

なのでC1・CL1・CM1で走っている方は必ずアンチドーピングについては知識をもっておいてください。

責任は自分で持つ

ここまでやらないくても大丈夫でしょ。って思ってませんか?

実はドーピングには2種類あります。

  • 積極的ドーピング
  • 受動的ドーピング

の2つです。積極的ドーピングはアームストロングがその手本ですね。故意に運動能力を向上させるために、禁止物質だと知っていて摂取するというもの。もちろんこれは悪です。完全なるブラック。

そして受動的ドーピング。自分ではドーピングしている意識はなく、たまたま風邪で通った内科で処方してもらった風邪薬が、禁止物質を含んでいて、ドーピング検査をしたら陽性になってしまうというもの。

これも悪気はなかったにしても、ドーピングに違いはないのです。それはあなたが故意でやったかどうかを調べる方法はないからです。なのでサプリメントでも医薬品でも、口にするものは全て調べるぐらいの気持ちは大切です。

プロサイクリストならまだしも一般サイクリストの私たちは所属チームにチームドクターがいるチームなんてほとんどないでしょう。まぁたまにチームにドクターが在籍している可能性はありますので、その方に聞くのもいいとは思います。でも風邪薬を飲むたびに聞いていたら迷惑ですよね。

だからアンチドーピングは自分で責任を持つべきです。誰も助言はしてくれないし、誰かが飲んでも大丈夫だと言った薬に禁止物質が含まれている場合もあります。全て自分で調べてから口にする。それぐらいやらないと競技を続けられなくなる可能性があります。

アンチドーピングにおいて無知は罪以外のなにものでもありません。「知らなかった」「わからなかった」ではすまされない世界です。

禁止物質の分類

禁止物質は、3つに分類されます。

1. 常に禁止されている物質と方法  (使ってはいけない)

2. 競技会において禁止される物質と方法 (競技大会中だけ禁止)

3. 特定の競技において禁止される物質  (該当競技以外の選手は使ってOK)

1のように、アスリートは常に禁止されている禁止物質と、2や3のようにいつでも薬を使用できない薬ばかりではなく、競技期間中のみ使ってはいけないとか、特定の競技のみ禁止されている物質もあります。

このあたりの詳細もGrobal Droで調べることができます。

2018年からは全てのカテゴリーがドーピング検査の対象

今まではC1やCL1やCM1の選手が気をつければ良かったのですが、これからはシクロクロスのどのカテゴリーでも検査の対象になります。

というのも2018-19シーズンからは、JCXシリーズでは全てのカテゴリーでJCF登録が必要になります。JCFで登録する時には、アンチドーピングに対する同意にサインすることになっており、臨時登録でもその対象になります。

JCFの競技規則でも以下のように書かれています。

第23章 ドーピング・コントロール 第99条ドーピング・コントロール) 本規則は,UCI(世界自転車競技連合)以外のアンチドーピング機関が発議し,UCI アンチドーピング規則に 拠らずにドーピング・コントロールが行なわれる際に,WADA(世界ドーピング防止機構)の世界ドーピング防 止規程および検査に関する国際基準,JADA(日本アンチドーピング機構)の日本ドーピング防止規程を,自 転車競技の現場において補完するものである. 自転車競技への参加者は,たとえ自分の競技結果,自分の健康状態に何の影響もないと考えていようとも,禁止物質ならびに禁止方法等を行使してドーピングを行わないという確約が求められている. 1. 当アンチドーピング規則はすべての本連盟ライセンス所持者に適用する. さらに,当規則は以下に規定するその他の競技者,競技者支援要員,または組織その他団体(以下“人” という)にも適用する. (1) 競技者,コーチ,トレーナ,監督,チーム監督,チーム・スタッフ,代理人,役員,医療スタッフまたは親 を含むいかなる資格においても,ライセンスを所持しないで自転車競技会に参加する人 (2) クラブ,トレードチーム,国内連盟,その他の組織の枠組みから,準備または競技者支援のために,ラ イセンスを所持しないでスポーツ競技に参加する人

このようにライセンス登録をしている時点でアンチドーピング規則に適用されているので、ある日突然に競技後に突然ドーピング検査をされて(たぶんされないけど)陽性になったら、「はい。ライセンス剥奪しますね。」と言われて競技ができなくなってもどこにも文句をいうことができないのです。

JCFライセンスを臨時登録でもとった場合は、ドーピング検査に対象になります。

まぁアンチドーピングというのは競技者全員が遵守すべきなのですが、現実的な検査対象でもないかぎり意識するのは難しいかなと思っています。

アンチドーピングはヒトゴトではない

CXerとして競技を続けるならアンチドーピングのことを頭に入れて、行動もしないといけないということです。

ドーピングのことなんか気にせずに何年もシクロクロスを続けられている人も、たまたま続けられているだけかもしれません。

素人で一般人の私たちも、自分で責任をもってアンチドーピングに向き合わないといけないと私は思います。ヒトゴトではないんですよね。

  • サプリメントは認証マークのあるものを選ぶ
  • 薬は医師や薬剤師に相談して、さらに自分でも調べる

ということは、必ずやりましょう。これだけやっていれば大丈夫なんですから。